思い入れのあるピアノ。
私は昨年、春の間中に鼻声になるので、とうとう花粉症か・・・?
と思い検査をしに行きましたが、アレルギー反応が出ませんでした。
今年も鼻声が始まりました。
なんでしょうね。
お客様でも花粉症の方が多くいらっしゃいますが、
本当に大変そうです。
皆さま、くれぐれもご自愛ください。
家の建て替えで湿度の高い家から、機密性の高い家に変わったピアノ。
湿度が大きく変動し、ピアノが大変な事になっていました。
お客様が、ピアノを弾く気にならなくって・・・
と仰いましたが、これじゃぁ無理ですねと言ってしまうぐらい。
伊勢湾台風の時、屋根裏に避難した際、
最初に買ったピアノが浮いていくのを、目の当たりにしたそうです。
そして被災後の、大変な時にもかかわらず最初に買って貰った、
思い入れあるピアノがこちら。
昭和35年製のピアノです。

鍵盤とアクションを全部、お預かりしました。
お預かり中遊びにいらしたお孫さん。
ピアノの蓋を開けたら鍵盤がなくって、
慌ててピアノの蓋を閉めていたそうです。
可愛らしい。
鍵盤のバラ部分部分が、剥がれていました。
剥がれていない部分も触るとぽろぽろと。
更にブッシング交換をしようとしたら、全ての細かいパーツがバラバラに。
細かい作業が続きました。

そして、お預かりした際は1本だけ剥がれていたキャボスタン部分。
やはり剥がれてきたので、こちらも全て接着し直し。

ブライドルテープは、外そうと思ってもこんな風に切れちゃう。
劣化が激しいです。

お預かりした際は1本だけだった、フレンジコード切れ。
スティック(動きの悪いアクション部分)が多く、そちらの修理予定でしたが、
こちらもブチブチと切れます。
こちらは当初予定していなかった修理となりました。

分解してみたら、ジャック部分のスティックが多数。
アクションのセンターピン部分を全て洗浄してみても、
改善されないジャックが、まだ多く有り、
余りご予算をかけないよう、優先順位を選びながら作業。

こちらのバット部分は、お預かりした際ハンマーのガタが合った1本ですが、
割れていました。
ボンドで修復を試みましたが、ガタが直らずハンマーを外して、
この部品を交換しました。

昨日は、お客様宅で丸1日作業でした。
1人で作業できる便利な道具を持っているので、
まずはインシュレーターを新しいものに交換。
椅子も座面が割れていたので、新しい椅子に交換しました。
掃除をして、錆びと汚れの酷いピンを磨き、
バランスとフロントクロスも汚れ気味だったので、
裏返しにしたら、綺麗な感じになりました。

そして、その後は必死に作業していたので、
写真忘れています・・・
思い入れのあるピアノ。
ちょっと生まれ変わってくれ、また気持ちよくお弾き頂きたいです。
ソートエルワルドHP
https://soutelward.com/